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民族音楽を極めた大作曲家たち!初めてのクラシック音楽入門vol.20

      2019/07/23

初心者向け『つまみ食い式』クラシック音楽入門シリーズ!

今回はついに記念すべき第20回を迎えました!

20回めと言っても、どの回から聴いても全然大丈夫ですよ~^^


この企画は、「クラシック音楽なんてさっぱり分からん!」という初心者さんでも聴きやすいように、名曲の美味しい部分だけをピックアップ>してご紹介しています。

要は、美味しいとこだけつまみ食いするんです(笑)

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「おっ美味しいじゃん」となれば、誰だってもっと食べるんですね。

同じように、初めてクラシックを聴く人でも、「もう少し聴いてみようかなぁ」となる可能性がある訳です^^

名付けて、「つまみ食い式クラシック音楽入門!」


さて節目の今回は、ヨーロッパの民族音楽を極限まで追求した天才作曲家を3名ご紹介します。


先ずはこの曲で、高らかにお祝いです!かっこいーですよーっ!!

祝典的な1曲目は

ヤナーチェク作曲/『シンフォニエッタ』より第5楽章



演奏時間8分強。

チェコスロバキアが生んだ異色の作曲家、ヤナーチェク。

彼の代表作であるシンフォニエッタは今日、吹奏楽コンクールの自由曲でも取り上げられる難曲となっています。


オーケストラとは別働隊のバンダが、ずらりと横一列に並ぶ様はまさに壮観。

バンダを使う名曲として有名なレスピーギ作曲「ローマの松」などに比べても、その必要人数はなんと13名

トランペット9名・バストランペット2名・テナーチューバ2名といった壮観さが圧倒的です。

c0077697_23381552引用http://goo.gl/q4MhXO

これだけのバンダを要求する管弦楽曲は、ちょっと他には見当たりません。

曲の冒頭のファンファーレと、終楽章で再度登場するファンファーレが壮観壮麗。

聴く者を釘付けにするほど魅力的で、本当にカッコいい!


ところで皆さん、バストランペットって何?と思いませんでしたか?
 ↓
melton_basstrumpet引用http://goo.gl/jSLGcZ

トランペットをそのまま縦横に一回りほど大きくしたような形状で、奏者が口に当てるマウスピースもかなり大きめになります。

ですので、実際に演奏するのはトロンボーン奏者が担当します。


そして、テナーチューバ。

これも初めて聞く方が多いと思います。
 ↓
miratenor01引用http://goo.gl/qww67C

あのバカでかいチューバを、まるで赤ちゃんをだっこするくらいに小さくした楽器で、名前はチューバだけど実際にはホルン奏者が演奏を担当します。


このように正規のオーケストラ団員の他に、大勢のエキストラ(臨時団員)を必要とします。

そのため、プログラムにシンフォニエッタを入れる場合には、事前の人員(演奏者)確保の準備を周到にする必要があるのです。


エキストラへの謝礼が13人では多額な出費になりますし、演奏会の採算的に見てもオーケストラ事務局としてはなかなか大変です。

ひとつの演奏会を開くにしても、影ではさまざまな苦労があるものですね。


バルトーク作曲/「管弦楽のための協奏曲」より第5楽章



バルトークは、ハンガリーが生んだ民族音楽の祖であり、彼の代表作である「管弦楽のための協奏曲」は、祖国の民族音楽が随所に聴き取れる郷愁を漂わせるに充分な名曲です。


以前にとある有名な評論家が、「20世紀を代表する作曲家を3人あげるなら、バルトークとストラヴィンスキー、武満だ」と断言していたのが、今でも記憶として残っています。


他にも大天才とも賞賛される作曲家が、あまた存在する中での、この3名。

それほどの天才性を宿した作曲家なんですね。


またバルトークは作曲家としてだけではなく、学問としての民族音楽を徹底的に追求していった事でも有名です。

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祖国のみならず、東ヨーロッパ全域まで足を伸ばしながら、地道に民族音楽を掘り出していった研究活動にも、まさしく敬服する他はありません。

「天才は1パーセントの才能と99パーセントの努力」

どこかで聞いた事がありますね。


コダーイ作曲/「ハーリヤーノシュ」



ハンガリー出身の民俗学者であり作曲家であるコダーイ。

上述のバルトークとは盟友であり、ハンガリーの民族音楽を支えたと賞賛される作曲家です。

この曲は、『コダーイと言えばハーリヤーノシュ』と即答できるほどの代表作で、特に注目すべきは、ハンガリーの民族楽器である【ツィンバロン】

20100531_795848引用http://goo.gl/9G1m17

ピアノを一回り小さくしたような大きさで、一見するとチェンバロというピアノが登場する以前の楽器に似ています。

でも、演奏の方法が非常にユニークでおもしろく、2本のしゃもじみたいな棒を手に持って、ツインバロンの弦を叩くんです。

SC3-1024x682引用http://goo.gl/lzwNfX

私が所属するオーケストラでこの曲を演奏した折に、はじめてツィンバロンの音色を生で聴きました。

チェンバロも同じく弦をはじいて音を出す構造ですが、それとは全然違う、なんとも哀愁と郷愁に満ち溢れた悲しげな音色を醸し出してくれるのです。


「あー、これがハンガリーの民謡なんだ」と、その時にはとても心の中にすーーっと入ってきたのでした。

国は違っても、我が故郷を想ういとしい愛情は万国共通なんですね。

本当に貴重な体験でした。

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