すごく攻撃的で激しい曲なら!クラシック音楽初心者のための名曲入門vol.24
2016/12/17
クラシック初心者が楽々レパートリーを増やしていける!
つまみ食い式クラシック音楽初心者入門シリーズも第24回です。
今回は、ガンガン攻撃的で激しい荒々しいクラシックの名曲ですよ。一言でいうなら、チョーかっこいいクラシック!
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そして荒々しい中にもとっても美しいんですね。とにかく聴いてみて下さい。
1曲目のご紹介は、皆さんよく知っているジュピター(木星)のゆったりした音楽とは全然違う、超激しい世界です!
では行きましょう。
ホルスト作曲/組曲「惑星」より「火星」
引用:火星、戦争をもたらす者(Mars, the Bringer of War) 「惑星」より/TKMonline/https://www.youtube.com/watch?v=luy4dL6SyhQ
演奏時間7分半ほど。
ホルストの代表作と言えば「惑星」。こう覚えて、間違いありません。
誰もが認める、大作曲家ホルストの代表作かつ傑作中の傑作です。7つの楽章で全曲となり、それぞれの楽章に金星・水星・土星など惑星の名がタイトルとして付けられています。
既にご紹介済みの「木星」は、その親しいやすい旋律が万人の共感を呼び、世界中の歌手が感情をたっぷり込めながら歌っていますよね^^
その「木星」ジュピターは、天真爛漫で明るい曲調ですが、この「火星」は「戦争の神」という副題が示すように、非常に荒々しく攻撃的で激しい曲となっています。
冒頭部分の出だしから既に、不気味で不吉な予感が漂い、まるでSF映画を思わせるような雰囲気が支配しています。

じわじわと盛り上がっていきトランペットやトロンボーンが最強音で炸裂、まさに戦争真っ只中を連想させるが如く激しい音のぶつかり合いが展開されます。
曲の終わり方も、「どうだー!これでもかーっ!!」と念を押すように、大編成オーケストラの楽員すべてが何度もフォルテッシモ(最強音)を繰り返し、著しく攻撃的に曲を閉じます。
これが何とも言えずド迫力なんですよ!
とにかくホルストの惑星。この「火星」の迫力は凄まじいです。もし生で演奏会が聴ける機会がありましたら、ぜひとも足を運んでみて下さいね。
ワーグナー作曲/歌劇「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」
引用:楽劇「ワルキューレ」第3幕より「ワルキューレの騎行」ゲルギエフ https://www.youtube.com/watch?v=ONfSjfTWJJU
曲の冒頭いきなり弦楽器の上昇する音形が不吉さを予感させ、続いてトロンボーンが鋭い上昇音形のメロディを豪快に吹きます。
その様は、著しく攻撃的で荒々しい雰囲気満載!まさに戦場を連想させるようなイメージがわいてきます。
フランシスコ・コッポラ監督の映画「地獄の黙示録」では、ヘリコプターの戦闘シーンの場面でこの曲が使われていました。
これはベトナム戦争をテーマにした内容でしたので、それほど、ワルキューレの騎行のイメージが戦闘的かつ攻撃的なのです。
それはさておき、このワルキューレの騎行。終始、金管楽器がフォルテで炸裂しまくり、聴いていてもスリリングで迫力満点ですよ!
いつも主役のヴァイオリンやチェロの弦楽器群は、ここでは裏方に徹しています。主役はトロンボーンやトランペット・ホルンなど金管楽器です。
ムソルグスキー作曲/はげ山の一夜
引用:禿山の一夜(リムスキー=コルサコフ編曲版)/EISENACH2008/https://www.youtube.com/watch?v=wrAs-DebbH0&list=RDwrAs-DebbH0#t=50
ここでもトロンボーンが堂々と荒々しく登場、いつも日陰でヒマそうにしているトロンボーンも、ここでは弦楽器群を蹴落とすかのごとく、主役の座をキープしています(笑)。
終盤までの不気味な演出度が最高です。なんだかんだで次第に曲全体は盛り上げっていきますが、終盤は「そして夜明けが来た」みたいに穏やかで平穏に幕を閉じる曲です。
ムソルグスキーと言えば、「展覧会の絵」が代表作となりますが、同じように「はげ山の一夜」も彼の代表作であり、クラシックの名曲にその名を連ねています。