情熱的で激しいクラシック音楽が聴きたいなら!おすすめ名曲はこれvol.16
2019/08/07
「クラシックって何となく難しそう」
「どれから聴いていいのか分からない」
そんな貴方にピッタリな【初心者でも分かりやすいクラシック音楽入門】ブログです。
なるべく演奏時間が短めで聴きやすい曲を選んでいますよ。
なので、まったくの初心者だって、ぜーんぜん大丈夫です!
そもそもクラシックを聴くのに、初心者だって音楽評論家だって、そんなの全然関係ないですよ~
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さて今回は、情熱的で激しい名曲を、徹底的に厳選しました!
超おすすめでステキな名曲を、皆様にご紹介させて頂きましょう。
情熱的な1曲目は
見出し
ヴェルディ作曲/『レクイエム』より「怒りの日」
演奏時間4分半。
ベルディは、いくつもの有名な歌劇を後世に残した、20世紀を代表するロマン派のオペラ作曲家の一人です。
『アイーダ』『ナブッコ』『椿姫』『リゴレット』『ファルスタッフ』など、どれもが傑出したオペラ作品として、今日も頻繁に上演されています。
その他にも、『オテロ』『マクベス』『運命の力』『シモン・ボッカネグラ』『仮面舞踏会』があります。
一方で、彼ほどの大作曲家が交響曲や管弦楽・協奏曲そして室内楽のジャンルは全く作曲していません。
その他にも、『オテロ』『マクベス』『運命の力』『シモン・ボッカネグラ』『仮面舞踏会』があります。
一方で、彼ほどの大作曲家が交響曲や管弦楽・協奏曲そして室内楽のジャンルは全く作曲していません。
オペラを心から愛する、イタリアのお国柄が反映されての事なのでしょうか?
それは横に置いておくとして、とにかくベルディはオペラ作曲まっしぐらだったのです。
彼は農場の長男として生まれ、音楽学校で教育を受けており、22歳で結婚。子供も2人授かります。
しかし、運命のいたずらなのか、28歳のときには妻と2人の子が病死してしまい、家族すべてを失くします。
失意のどん底に陥った彼は、とある日に町中でオペラ座支配人に偶然出会い、新作オペラの台本を強引に渡されました。
旧約聖書を題材にしたその台本を見ると、そこには「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」と記されています。
それを目にしたベルディは再び創作意欲がよみがえり、のちに完成した歌劇『ナブッコ』は彼の名声を確固たる地位に押し上げたのです。
この「行け、我が想いよ」は、現在【イタリア第二の国家】と称されるほど国民に深く親しまれています。
永年87歳で世を去った彼の出棺のときには、一切の演奏をしてはならないとの遺言にもかかわらず、沿道に集まった大勢の市民たちからは、自然と「行け、我が想いよ」の合唱がわき上がったそうです。
永年87歳で世を去った彼の出棺のときには、一切の演奏をしてはならないとの遺言にもかかわらず、沿道に集まった大勢の市民たちからは、自然と「行け、我が想いよ」の合唱がわき上がったそうです。
すばらしく感動的で深いお話しですね。
さて、レクイエムに話を戻しましょう。
すでにご紹介済みのフォーレ作曲「レクイエム」、そしてモーツァルト作曲の「レクイエム」と共に、3大レクイエムと称されているのがベルディのレクイエムです。
『怒りの日』は、いきなり全オーケストラのフォルテッシモ(最も強い音!)から始まる、衝撃的な出だしが非常に強烈で激しいです。
レクイエムと言われる曲は、正確には【死者のためのミサ曲】なので、今は亡き魂(たましい)をなぐさめるための鎮魂(ちんこん)が本来の目的なんですね。
ですから、全体に穏やかでしめやかに、そして荘重かつ美しくあるのが本来のレクイエムの真髄であり、最も特徴的なところです。
特にフォーレ作曲のレクイエムでは、それがとても顕著で、穏やかに美しく表現されています。
神のごとき美しく、終始厳かで高貴な雰囲気に包まれているのです。
しかしヴェルディ作曲のレクイエムは、かなり雰囲気が違います。
レクイエムにもかかわらず、極めて情熱的かつ大胆不敵です。
それが彼のレクイエム独特の持ち味であって、心をガッツリ鷲づかみにされる所以(ゆえん)かも知れません。
とにかく「怒りの日」は、攻撃的かつ戦闘的なのです。
またヴェルディのレクイエムの特長として、オーケストラから少し離れた場所で別働隊のトランペット奏者が4人演奏します。
この別働隊を、オーケストラ業界では【バンダ】と呼びます。
この別働隊を、オーケストラ業界では【バンダ】と呼びます。
下記の画像、右上部分で4人の奏者がスポットライトを浴びていますね。
この金管奏者たちを、バンダと呼ぶのです。
引用http://goo.gl/qnTA1a
別記事でご紹介しています、レスピーギ作曲の交響詩『ローマの松』より「アッピア街道の松」。
この曲の終盤でも、「バンダ」が大活躍します。
この曲も、ものすごく激しい大迫力でかっこいいんですよ~!
↓ ↓
≪初心者からのクラシック音楽入門!かっこいい迫力ある名曲はこれ!≫
このレスピーギ作曲の『ローマの松』から「アッピア街道の松」でも、終盤からバンダが登場してトランペット奏者とトロンボーン奏者が別働隊としてガンガン吹きまくります!
その本番のステージは、まさに圧倒的な迫力ですよ~!
もしも『ローマの松』を取り上げる演奏会を見つけた場合には、是非とも足を運んで下さいね^^
「すっげー!」となること、間違いないですよ^^
圧倒的な大音響の洪水みたいな感じで、ドバーッ!!っと音のかたまりが目前に迫ってきます!
ヴェルディのレクイエム「怒りの日」は、たとえ貴方が初心者だろうと容赦はしません(笑)。
情熱的で強烈なストレートパンチで攻撃してくるので、心して聞いて下さいね。
でも・・・実はこのレクイエム。
曲の冒頭と中途から以降は、静かに静かに音楽が進んでいくので、全曲を聴くとひょっとすると拍子抜けするかも知れません。
それがまた、レクイエムの清らかで魅力的なところなんです。
さて激しい2曲めは
プロコフィエフ作曲/バレエ音楽『ロミオとジュリエット』より「モンタギュー家とキャピュレット家」
演奏時間6分少々。
旧ロシアが生んだ天才作曲家、プロコフィエフの代表作のひとつがこの『ロメオとジュリエット』。
原曲は、シェイクスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」に基づくバレエ音楽ですが、演奏時間には2時間30分も必要です。
なので実際のコンサートでは、原曲の中のいくつかを抜粋した「第一組曲」または「第二組曲」が演奏されています。
プロコフィエフは、まだ9歳の幼い時期に最初のオペラを作曲し、11歳にはすでに交響曲を作曲しています。
まだ小学校3年生~5年生!
やはり早熟の天才は、やることがハンパなく強烈です(笑)。
まだ小学校3年生~5年生!
やはり早熟の天才は、やることがハンパなく強烈です(笑)。
そして27歳にはアメリカへの亡命を決意し、新天地へ向けて旅立ちます。
経由地として福井県の敦賀港から日本に上陸、東京から京都・大阪や奈良・箱根そして軽井沢などを訪れました。
また、横浜ではプロコフィエフ自身の作品でピアノリサイタルを開いています。
これが当時の日本の音楽界に大きな影響を与えたことは間違いありません。
※ちなみに【福井県の敦賀港】と言えば、第二次大戦中に杉原千畝(ちうね)さんが外務省の意向に従わずに、大勢のユダヤ人を救うべく独断で発行した≪命のビザ≫を手にした方たちが、命かながら上陸したことで有名な港ですね。
さて、今回のロミオとジュリエットはバレエ音楽として作曲されているので、舞台でバレエが演じらます。
その一方で、オーケストラは舞台前方の下部に陣取った薄暗いピット(オーケストラボックス)の中で演奏するのです。
このオーケストラピットの空間は相当狭いため、楽員同士の間隔は寿司詰め状態!
かなり窮屈さを我慢しながら演奏しています。
かなり窮屈さを我慢しながら演奏しています。
冗談ではなくて本当にかなり薄暗いので、オーケストラ楽員の譜面台には各自に小さなライトが付いています。それで楽譜を照らしながらの演奏になるのですね。
このモンタギュー家のテーマ音楽は、某民放のクラシックを扱ったドラマ番組「○○○カンタービレ」で有名になって、すっかりお馴染みになりましたね。
このドラマでは、指揮者シュトレーゼマンが登場するたびに「モンタギュー家のテーマ」が使用されてました。
偉そうで仰々しい大指揮者シュトレーゼマンが登場すると、この音楽がピッタリはまっていてホント面白かったです(笑)。
それはさておき、今回ご紹介の曲は「モンタギュー家とキャプレット家」両家の確執と愛する二人の愛の苦悩を描いたストーリーです。
プロコフィエフ作曲のロミオをジュリエットでは、その愛情や苦しみが実にうまく表現されていると思います。
ロミオとジュリエットと言うタイトルだけで、既に情熱的な熱さをイメージできますよね(笑)。
どんな境遇にあっても、愛に勝る強いものは無いのです。
3曲目の情熱的な名曲は
カール・オルフ作曲/『カルミナ・ブラーナ』より「おお、運命の女神よ」
演奏時間2分40秒。
ドイツ生まれで20世紀に活躍した作曲家、カール・オルフ。
プロコフィエフやヒンデミットらと同時代に生きたカール・オルフは、この『カルミナ・ブラーナ』で大成功を収め大作曲家としての地位を不動にしました。
このときカール・オルフは42歳。
にもかかわらず、彼の名声が国外に知れ渡るのが遅れたのは、ひとえに第二次世界大戦の影響です。
オルフが59歳のときに、ようやく『カルミナ・ブラーナ』がレコード化されて国際的な地位を確立したのですね。
にもかかわらず、彼の名声が国外に知れ渡るのが遅れたのは、ひとえに第二次世界大戦の影響です。
オルフが59歳のときに、ようやく『カルミナ・ブラーナ』がレコード化されて国際的な地位を確立したのですね。
この大曲は、大編成のオーケストラと合唱で演奏されます。
いきなりティンパニの強打から開始され、合唱もいきなり全員がフォルティッシモの大声で(笑)突入してきて、冒頭のインパクトは激しさ200%!
まさしく情熱的で激しい!
今回は、カルミナ・ブラーナの冒頭部分のみのご紹介ですが、やはり全曲を通して聴いていただく方が断然面白いと思いますよ^^
たとえば、曲の中途では「酒場のにぎやかさ」なども表現されていて奇抜かつ軽妙、コミカルさが聴いててとても面白い曲です。
カルミナ・ブラーナは、全曲を通して情熱的で激しい音楽が楽しめます。
ただ全曲演奏となると、一時間ちょうどくらいの大曲ですので、ちょっと長すぎて退屈になるかも知れません(汗)。
そこは、読者の皆様にお任せ致します。
【まとめ】情熱的で激しいクラシック音楽が聴きたい!
クラシック音楽は、とかく演奏時間が長いです。ですから、とりあえずサビだけちょっと聴いてみて、面白そうと思ったらもう少し長めに聴いてみる。
それも、BGM程度に聴く形でぜんぜんだいじょうぶ^^
「とりあえずクラシックでも聴いてみようかなぁ」でしたら、この流れが一番ベストかなと思います。
最後に、別記事でスピード感バリバリなクラシック音楽もご紹介していますよ^^
≪スピード感あるクラシック!疾走感あふれる名曲ならこれ≫
どうぞクラシックの深遠なる底なし沼にハマッてください(笑)。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。