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暗いし重いクラシック名曲ならこれ!分かりやすい入門シリーズvol.7

      2019/04/16

初心者向けで分かりやすいクラシック音楽入門シリーズも、今回で20曲を突破しました!

そこで今回は、じっくり腰を据えて聴き込めるような『暗い』あるいは『重い』雰囲気が立ち込めるクラシックの名曲を厳選しました。


すごくすごーく暗いイメージです。

限りなく重い雰囲気に満ち満ちていて、限りなく深遠なる世界です。

これにハマッたら、あなたもクラシック音楽にまっしぐら!?かも知れませんよ^^


さて今回は、弦楽合奏のために作曲された重い曲、そしてピアノが奏でる暗い哲学的な名曲をご紹介します。

3曲ともに、クラシック名曲と言われるジャンルにおいては、超有名な名曲ですよ。

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今回は、厳選してこの3曲をご紹介します。

  1. バーバー作曲/弦楽のためのアダージョ
  2. グリーグ作曲/オーゼの死(ペールギュントより)
  3. ベートーヴェン作曲/月光

では早速、行きましょう。

バーバー作曲/『弦楽のためのアダージョ』

魂を揺さぶるほど切ない重い1曲目は、かつての名作映画『プラトーン』全編を通してのメインテーマとして使用されています。

この限りなく暗く重たい名曲、こころ穏やかにじっくりとお聴きください。



バーバーは、フィラデルフィアの音楽学校で作曲の他にピアノや声楽、そして当時の大指揮者フリッツ・ライナーに指揮法も学んでいます

その後に奨学金を得てイタリアへ留学し、弦楽四重奏曲第一番を作曲。

その第二楽章を弦楽合奏用に編曲したのが、今回ご紹介する『弦楽のためのアダージョ』なのです。


また、バーバー自身が優秀なバリトン歌手で弦楽四重奏団と一緒に演奏旅行をしていました。

加えてピアニストの技量も一流であったにもかかわらず、ステージで演奏する機会を持たなかった事実は、彼の控えめな性格を裏付けているように思います。

バーバーの弦楽のためのアダージョには、ただ単に暗いとか重たいとか、そんな単調な表現では収まりきらない限りなく深遠なる奥深さがあります。

この他にも、交響曲を2曲と歌劇、ヴァイオリン・ピアノ・チェロの協奏曲そして『20世紀の古典と称される有名な歌曲集』を作曲しています。

しかし、『弦楽のためのアダージョ』が圧倒的に有名です!

葬式のために作曲したのではないと作曲者は不満だった
弦楽のためのアダージョは、いつ聴いても何度聴いても、ひたすら底なし沼まで気分が落ち込んでしまうような錯覚に陥ってしまいます。

ベトナム戦争時の混沌をテーマにしたこの映画に、当時の私はそれはそれは大変なショックを受け、何度も映画館へ足を運び見直しました。

この映画が始まってすぐに、スクリーンには過酷極まりない戦場のリアルなシーンが浮かび上がります。

そして、その時流れていた音楽こそが今回ご紹介する「弦楽のためのアダージョ」なのです。


この曲から醸し出される何とも言えない悲哀が、スクリーンの凄惨な光景とピタリと一致していて、私の胸中までグッサリと食い込んできた事は言うまでもありません。

戦争がもたらす現実は私たちに何を伝えようとしているのか、同じ世界に住む自分達は今こんな事をやっていていいのか、

まだ若かった当時の私は、【人生と死】について深く考えざるをえませんでした。

弦楽のためのアダージョは限りない深遠なる奥深さがある
かつて、昭和天皇が崩御された折には、NH○交響楽団の演奏でこの曲が演奏されています。

アメリカの元ケネディ大統領の葬儀においても、この曲が使用されたそうですが、バーバー自身は「葬式のために作曲したのではない」と不満をもらしたと言うエピソードが残っています。


たしかに、日本国の象徴であられる天皇家のために流すにふさわしい厳粛で荘重な雰囲気があります。

作曲者自身は不満と言うものの、国家の象徴や元首の葬儀に重用される音楽を作曲する卓越した才能。

これは本当に素晴らしいと思います。


それにしても、あまりにも苦しくむせび泣く慟哭(どうこく)・嗚咽(おえつ)に、心がえぐられそうな強烈な印象を受けるこの曲を聴きながらの映画プラトーン。
その後しばらくの数日間は、本当に放心状態が続きました。

いまこの瞬間、自分はこのような生き方をしていて本当にいいのか。

人生とは本当は何?

生きるとは?その真実は果たしてどう言う事なのか。


そんな人生の根幹を考えざるを得ないほど、心の琴腺に響いたのです。

「弦楽のためのアダージョ」を聴くたびに、そんな深刻極まりない想い出がよみがえります。


さて2曲目は、これ以上に重い名曲は無い・・

グリーグ作曲/『オーゼの死』~組曲「ペール・ギュント」より



グリーグは、ノルウェーが生んだ国民楽派と呼ばれた有名な作曲家です。

また、優れたテクニックを持ったピアニストとして、度々演奏旅行をしていたようです。

グリーグと言えば、すぐに思い浮かぶのがピアノ協奏曲や今回ご紹介の『ペール・ギュント』です。

特にグリーグのピアノ協奏曲は、クラシック演奏会の定番中の定番!

昔も今も、たびたびコンサートで取り上げられている超スタンダードな名曲です。


そんなグリーグには、とっても可愛らしいエピソードがあります。

彼は、手のひらに乗るほどの小さなぬいぐるみを、こよなく愛していたんですって^^

それも、小さくて可愛いカエル君と、これまた小さな子豚ちゃん!

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自身がピアニストでもあった彼は演奏会本番が始まる舞台袖で待つ時には、ポケットに子豚ちゃんやカエル君を握り締めて、緊張をほぐしていたそうです。

天才作曲家と言えども、やはり緊張する時はあったんですね^^

ちなみにこの可愛いぬいぐるみは、現在博物館となっているグリーグの生家に今も展示されています。


そんなグリーグですが、実のところ、本当にこの曲だけは避けたいと思っていました。

なぜならば、あまりにも・・・本当にあまりにも暗すぎるのです。


絶対に取り上げるのはやめておこうと、密かに決めていました。

私自身が、この曲を聴くと果てしなく暗く落ち込んでしまうから。


この曲を聴くとき、必ずと言っていいほど『お葬式』を想い出してしまうのです。。

グリーグのピアノ協奏曲はクラシック演奏会の定番です
いよいよ、最愛なる家族の一人が荼毘に付されるために我が家を出棺するその時、涙にくれていると。。

どこかで聴いたことのある曲が流れるではありませんか。


そうです。その時流れていた音楽こそが「オーゼの死」。

私のあらゆる記憶の中で、もっとも悲しくて辛い想い出です。


組曲『ペール・ギュント』の中には、他にも美しい曲がいくつもあります。

わざわざこの「オーゼの死」のように、悲痛に満ち満ちた重たくて暗い曲をご紹介する必要も無かろうと思いました。

組曲ペール・ギュントには美しい曲がたくさんあります。
でも・・

クラシック音楽には、これほどまでに【死の狭間に横たわるかの如く】重い、そして暗い音楽がある事を知ってほしいとも思いました。

こんな悲嘆にくれた、極限まで重い音楽を聴くのは、一度きりで充分です。

とても何度も聴く気にはなれません。

あまりにも悲し過ぎます。

ややもすると、鬱(うつ)になってしまいそうです。。


さて次に行きましょう。


重いけど、暗いけども超美しい3曲目は

ベートーヴェン作曲/『月光』ピアノソナタ第14番第1楽章



ベートーヴェンが作曲した3大ピアノソナタの一つに、「幻想曲風ソナタ」いわゆる『月光ソナタ』があります。

作曲当初はベートーヴェン自身が、「幻想曲風ソナタ」と命名しました。


その後ドイツの音楽評論家が、この第一楽章は『月光の波に揺らぐ小舟のようだ』と表現したことに始まり、時が経つにつれて「月光ソナタ」の愛称で一般的に拡がっていったようです。

また、ベートーヴェンの愛弟子でありピアノ練習曲でおなじみのツェルニーは、【はるか彼方から魂の悲痛な声が聴こえる】と評したと伝えられています。

それが、今回ご紹介する【月光の曲】なのです。

ベートーヴェンは、この『月光』第一楽章に「可能な限り繊細に」演奏するよう指示を書き込んでいます。

まさにここが、この月光の曲の真髄だと感じます。

繊細の極みを尽くして演奏されてこそ始めて、この名曲の真価が浮かび上がるのだと思います。

月光はベートーベンの愛弟子ジュリエッタに献呈されました
この月光ソナタは、当時ベートーヴェンがピアノを教えていた愛弟子である伯爵令嬢ジュリエッタに献呈されています。

年齢が14歳も離れていたベートーヴェンと若き乙女ジュリエッタはお互いに愛し合う恋仲でしたが、身分の違いから結婚には至りません。

結局、彼女は作曲家ガレンゲルクと結婚してイタリアへと去っていきます。

失意のベートーヴェンが後にしたためた【不滅の恋人】への手紙は、この薄幸の伯爵令嬢ジュリエッタであるとの説もありますが、これはおそらく永遠に語り継がれる音楽史上の謎です。

時にベートーヴェン31歳、ジュリエッタは17歳ですから、もし結婚出来ていたならばいわゆる「年の差婚」ですね。

当時の身分差は、鉄の意志を持つ不屈のベートーヴェンですら、どうする事も出来ない大きな壁だったのです。

私は、偉大なる大作曲家が後世に残したこの名曲を、心の底から愛しています。

これほどまでに魂の琴線に触れる音楽は、そうそうあるものではありません。


『果てしない悲嘆と絶望』とでも言おうか・・いや、絶望ではないのだけども、やっぱり重い。

もしも【悲しみと苦悩の極致】があるならば、それをまさしく再現し得るのは、月光の曲がもっともふさわしいのではないか。

月光の曲は、悲しみと苦悩の極致を表現しているようです
月光は、人生すべてを語ってくれます。

人生をも含む森羅万象すべての苦悩と絶望を語ってくれる。

そんな気がしてなりません。


神様が地上に生かして下さったベートーヴェンという、クラシック界の未来永劫に君臨する真に偉大なる作曲家。

その音楽には、とても言葉だけでは言い表せない見えざる何者かが、間違いなく確実に存在しています。

それを人々は『偉大なる魂』と称し、尊敬と畏怖の念を持って敬愛しているのです。


『永遠なる大宇宙』

かの大天才ベートーヴェンは、偉大なる魂を人類に残して、彼岸の地へ去っていったのです。

ベートーヴェンの輝かしい名曲の数々は、まさに未来永劫に連綿と続く人類への遺産です。

ベートーベンの楽曲は偉大なる魂として永遠に生き続ける

暗いし重いクラシック名曲【まとめ】

さて今回ご紹介の3曲、あなたはどのようにお聴きになりましたか。

なんだかベートーヴェン賛歌みたいな流れになってしまいましたね。


私の好きな作曲家は何人もいます。

でも、ただ一人だけと言われるならば、迷うことなく楽聖ベートーヴェンなんですね。

音楽を超えた遥かなる高みに、彼の魂は生き続けているのだと思います。

さて、暗めで重い魂の名曲のあとに、こころが癒される和みの音楽はいかがでしょうか。

≪心から癒されるクラシック名曲/こちらからどうぞ≫

もうじき平成も終わる気忙しい今、ときには心の癒しも必要ですね。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました^^

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