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お墓参りで正しい線香の本数や向きとは?基本マナーを知ろう!

      2019/08/06

毎年、夏のお盆や春と秋のお彼岸にはお墓参りをして、ご先祖様に両手を合わし感謝の気持ちを送る。

日本の伝統ある、厳かで大切な慣習ですね。

今年のお盆や秋のお彼岸は、令和元年はじめてのお墓参りとなります。


さてそのお墓参りですが、お線香をお供えするときには、どんな手順で何本のお線香をお供えしていますか?

ただ何とな~く雰囲気だけで済ませている方が、結構多いのではないでしょうか。

せっかくのこの機会に、正しいお線香の本数や向きを知って、迷うことなく厳かな気持ちでお参りをしたいものですよね^^

そこで今回は、お墓参りのお線香の数と向きについて、当ブログを尋ねて頂いた皆様に分かりやいよう解説していきます!

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正しいお線香の本数と向きは、宗派によって違います!

「お線香の本数って・・3本程度で大丈夫なのかなぁ」

こんな感じで、何とな~くイメージしている方が意外に多いかと思います。

でも、ちょっと待って下さい。

実は、宗派によってそれぞれ違いがあるんですよ。

下記のように、宗派によってお線香の供え方が違ってくるので、この際きちんと把握してしまいましょう!

お線香の供え方は、宗派によって本数が違うのです。

浄土真宗(宗派によってさまざまですが)【1本で寝線香】


一口に浄土真宗といっても、真宗十派ある各宗派によっていろいろ違いがあります。

ここでは、最も基本的な形をご紹介します。

基本的にはお線香1本を寝線香とする形をとりますが、これも絶対ではありません。

ちなみに【寝線香】とは、1本の線香を2~3本に折って横に寝かせる事を言います。

そして、線香の向きは火のついた方を左側にして寝かせて置きます。

この≪左側≫については諸説があるようですが、『この俗世界においては左手は現世(この世)を意味し、右手は浄土(あの世)を表す』とする解釈が通説となっているようです。


そのため、線香の火が左側から右側へ燃え進んでいくようにお供えするのです。

線香の向きひとつをとっても、深い意味が込められていたのですね^^

俗世界では、左手は現世を意味し右手は浄土を表します。

日蓮宗/臨済宗/曹洞宗/浄土宗/日蓮正宗【1本または1~3本】

  • 日蓮宗・臨済宗では、お線香を1本立ててお供えします。

    香炉に置く場合には、その真ん中にお線香を立てるようにしましょう。

  • 曹洞宗・浄土宗では、1~3本のお線香を立てます。

  • 日蓮正宗では、1~3本のお線香を横に寝かせる寝線香の形をとってお供えするのです。

    前述しましたように、寝線香の場合は『火のついている方が左側』になるよう置くのが正式なお供え方です。

天台宗/真言宗は【3本】


天台宗そして真言宗では、仏・法・僧のそれぞれに1本ずつで、合計3本のお線香をお供えします。

  1. 仏=お釈迦さま
  2. 法=仏の説いた教え
  3. 僧=仏の弟子
以上の教え・解釈を古来より踏襲していて、この3つを合わせて『三宝』と呼ばれています。

仏法僧のそれぞれが、かけがいのないお宝なのですね。

ちなみに、お仏壇の香炉に線香を立てる場合には、【手前に1本・奥の方に2本を立てて、逆三角形に見えるよう立てる】のが正式な形です。

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以上がそれぞれの宗派の基本です。

いずれの宗派の供え方にしても、お坊さんの考え方によってお作法が違う場合もあります。

それに加えて地域によっても、お墓参りの方法が全然違う場合もありますので、お線香の本数は○本だと一概には断定できない部分が少なからずあるのが実態なのです。

お寺に関わる物事は、今回のお線香に関わらず『基本はこれ!』と言うものが少なくて難しいなあ、と言った印象が正直なところでもあります。

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もしも婚家のお墓参りが初めてでやり方がよく分からない場合は、一歩下がってその親族での正式なしきたりをキチンと確認してみる方が無難ですね^^

いずれにしても、初めてのお墓参りの場合には、これまでの自分のやり方とは違う可能性が高いことを意識しておくことが重要です。


お墓参りでお線香を供える意味とは

そもそも、≪お線香を供えること≫それ自体にはどのような意味が込められているのでしょうか?

ここは大事なポイントですので、この際しっかり覚えておいて損はありませんよ^^

お線香の役割には、4つの謂れ(いわれ)があります。

  1. 煙を通じて仏様とお話しする

  2. 仏様のお食事としてお供えする(仏様は線香の煙で満腹になる!)

  3. 自分の身を清め、心を鎮める

  4. お墓・お仏壇など、その場を清める

上3つの場合は、煙が一筋あれば出来ることなので、1本~3本くらいのお線香をお供えする事で大丈夫そうです。

しかし、4番目にある『場所を清める』ためには、ある程度のお線香を焚き(たき)しめてお墓周辺を煙で覆う必要があります。

線香は、邪心や怨念など見えざる邪悪を追い払います。
ですから、お線香を束にして火をつけても良いわけです。

お墓へお参りに行くと、モクモクと太い束にしてお線香を焚きしめているのを見かけるのは、その場を清める意味が込められていたのですね^^

さらにお線香には、良くないモノ(邪心や邪悪・怨念)を追い払う見えざる力を持っていると言われています。

そしてお仏壇に毎日お線香をお供えするのも、お食事としての意味合いがあるのですね。

その独特の香りと、穏やかな心で両手を合わせることそれ自体が、お食事の意味合いをも持つことになるのです。


お墓にふさわしいお線香は【杉線香】

お線香は大きく分けると、『お墓参り用』と『仏壇用』に分けられますが、『お墓参り用』として売られているのは【杉線香】と言う商品が多いです。

これは、3ヶ月程度杉の葉を乾燥させた後、粉末状に細かくしてお湯で練るのが正式な作り方のようです。


杉に含まれるヤニが、糊(のり)の代わりとなって固まってくれるそうですよ^^

また、ヤニの成分のおかげで、もうもうたる大量の煙が立ち込める線香に仕上がるそうです!

自然の恵みですね^^
a2SoXv引用:http://goo.gl/RWg9Vu

火をつけると杉の木の良い香りが立ち込めて煙が多いのが特徴で、その煙の量のために仏壇よりもお墓参りに最適とされています。

逆に仏壇用には、煙の少ないタイプで色々な香りのお線香が発売されているので、お線香を焚く人が「良い香りで心が落ち着くなあ」と思えるものを選ぶのが良さそうですね。


お線香は、この木から作られている!

お線香の会社のサイトを見てみると、仏事用のお線香だけでも、包装が豪華な贈答用からお墓参りセットまで、思っていた以上に種類が豊富で正直驚きました。


香りもたくさんの種類がありますが、主には白檀(びゃくだん)を主流として、伽羅(きゃら)や沈香(じんこう)などがあるようです。


白檀は、英語だとサンダルウッドと呼ばれる木で、さわやかな甘い香りがする常緑樹です。

香木として、古くから使われてきたのですね。

QOpO1a引用:http://goo.gl/owUa4E

沈香は、ジンチョウゲ科で正しい名前は「沈水香木(じんすいこうぼく)」。

生木の時は無香ですが、熱すると良い香りが漂うそうです。

aeNCd6引用:http://goo.gl/mvq6OS

伽羅は、沈香の中でも特に質の良いもののことで、ワシントン条約の希少品目第二種に指定されている貴重な木なんですよ。


お菓子とのコラボ線香も!

最近では、お菓子とのコラボ線香もあるんです!

いくつか種類があるんですが、どれもおいしい香りがしそうですよ。

img60120434引用:http://goo.gl/lfoDoQ

wZC88l引用:http://goo.gl/Qr1fGT

CosGa6引用:http://goo.gl/GhIHPG

こんなお線香も、遊び心があっておもしろいですね。

お彼岸には、落ち着いた穏やかな心を持ってお墓参りに行きたいものです。


【まとめ】お墓参りでの正しい線香の本数や向き

お線香には4つの謂れ(いわれ)があることや、お供えするお線香の本数は宗派によって違うことが分かりましたね。

もちろん、それぞれの宗派のやり方でお供えすることは大事ですが、それ以上に【お参りする人の感謝の気持ち】が大切なことだと思います。

最後にもう一度、お墓やお仏壇にお線香をお供えするいわれについて、確認してみましょう。

  1. 煙を通じて仏様とお話しする

  2. 仏様のお食事としてお供えする(仏様は線香の煙で満腹になる!)

  3. 自分の身を清め、心を鎮める

  4. お墓・お仏壇など、その場を清める

3番目の【自分の身を清め、心を鎮める】、これが一番わたしの心には響いてくる言葉です。

深いですね。


そして、お彼岸やお盆でお墓参りに行ってみると、たまにすごいお線香の煙がモクモク漂っているお墓を見かけるものでしたが、その疑問がようやく解けました。

お線香の煙には、その場を清める意味合いが含まれていたんですね。


今年のお盆、そして秋のお彼岸は、令和元年はじめてのお参りです。

お線香の煙がご先祖様のお食事にもなるんだとの気持ちも含みながら、心静かに感謝の気持ちを伝えていきたいと思います^^

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