北欧の有名なクラシック音楽入門!舘野泉氏の驚異的復活に感動vol.12
2022/12/12
今回第12回目の初心者向けクラシック音楽入門は、北欧の有名なおすすめ名曲をご紹介します。
クラシックの中でも北欧の作曲家は、個人的にものすごく大好きなんです!
その暗めながらもしっとりした魅力は独特であり、憂鬱な雰囲気の中にも謎めいたものさえあります。
北欧特有の薄暗く寒々しい雰囲気が、とっても美しくて超おすすめ!
独特の世界を醸し出します。
北海道よりずっと北に位置する寒い寒い国から生まれた、限りなく美しい極上の名曲を【つまみ食い】しながら楽しんで下さいね。
スポンサーリンク
【舘野泉氏】シベリウス:ロマンス変ニ長調
この演奏、両手で弾いているように聞こえませんか?
実はこれ、左手だけなんです!
最初にご紹介するのは、北欧の名曲と言うよりも「北欧で活躍する代表的日本人」!
・・と言えばこの方、
「左手のピアニスト」として、世界に名を馳せる舘野泉氏。
現在86歳で、なお現役バリバリのピアニストです。
東京藝術大学を首席卒業した氏は、北欧フィンランドを活動の拠点として欧州のみならず世界を舞台に駆け回っていました。
多忙を極めていた20年前の66歳の時、コンサート本番の最中に脳溢血で倒れ右半身不随となります。曲を弾き終え客席にお辞儀をして、数歩歩いたところで倒れたそうです。
しかし不屈の精神で巨大な壁を克服し、「左手のピアニスト」として世界の桧舞台に再登場します。
まさに復活。何と強靭な魂でしょうか!
今までリリースされたCDは130枚!さらに、『館野泉の左手』のために捧げられた作品は100曲を超えるそうです。
いかに世界中のクラシック界から尊敬の念を集めていたのかがうかがい知れます。
氏の演奏動画です↓
まるで両手で演奏しているかのように聴こえますよ。
演奏もさることながら、まったく素晴らしいのは氏の驚異的な精神力と楽観思考です。
彼はこう話しています。
「周囲の方たちは口をそろえて『大変だったでしょう』と大いなる同情をもって励ましてくれる。有り難いけれども、私は自分自身を哀れだとか、かわいそうなどと思った事は全然ありません」
「左手でいつもどおりにやればいいだけの話であって、そもそも不幸でもなんでもない」
「なってしまったものは仕方ないと観念し、それからの日々は倒れる以前と同じ気持ちで生活しました」
「左手でいつもどおりにやればいいだけの話であって、そもそも不幸でもなんでもない」
「なってしまったものは仕方ないと観念し、それからの日々は倒れる以前と同じ気持ちで生活しました」
いつも不平不満ばかりこぼしている自分ですが、大いに身につまされる含蓄あるお言葉です。
皆さんは如何でしょうか。
館野氏の詳しい記事はこちらから
↓ ↓
【恵まれている自分自身に気付かない愚かさ+舘野泉氏の驚異的復活に学ぶ】
さて、北欧の名曲入門なら超有名なこの曲!
シベリウス作曲/『フィンランディア』
演奏時間9分弱。
北欧を代表する、そしてクラシック音楽界に君臨する大作曲家シベリウス。
7曲の有名な交響曲を残してくれた彼の代表作として、まずは超が付くほどの名曲「フィンランディア」です。
トロンボーンの力強い出だしから始まって、終始陰鬱(いんうつ)で憂鬱(ゆううつ)な表情が続きます。
しかし中途からはテンポが一転、軽快なリズムを刻みながら「ようやく晴れたぞー!」とでも言うような明るいイメージに変わります。
ベートーヴェンのいわゆる【苦悩から歓喜へ】とはちょっと違う、「さあ、祖国が独立したぞ」と言う歓喜の爆発でしょうか。
シベリウスは数多くの名曲を生み出した天才ですが、中でも1番や2番の交響曲やヴァイオリン協奏曲は頻繁に演奏されています。
それはまた、時を改めてご紹介するとして、やはりシベリウスと言えば先ずはこの「フィンランディア」が入門曲ですね^^
そしてこの曲は、往年の大ヒット映画、『ダイハード2』のラストシーンで流れた事でも有名です。
最後の最後で、突如クラシックが流れ始めたので、ちょっと映画全体の流れとはミスマッチかな、みたいなエンディングではありましたけどね。。
映画監督が、フィンランド出身だったかららしいです。
なるほど、我が祖国が世界に誇る名曲でラストを締め飾ったわけですね^^
さて北欧と言えば超有名なこの名曲も!
グリーグ作曲/『ソルヴェイグの歌』~組曲「ペール・ギュント」より
演奏時間5分半。
以前に同じくペールギュント組曲から、「オーゼの死」をご紹介しました。
ソルヴェイグの歌は「オーゼほどの絶望的暗さ」ではありませんので
ご安心下さい(汗)
「オーゼの死」の究極に暗い
↓ ↓
【クラシック音楽が分かりやすい入門シリーズ!暗い重い名曲ならこれ!】
このペールギュント組曲は、そのいずれを取り上げても、北欧の憂鬱を感じる悲哀に満ちた音の流れが私たちの心を揺さぶりながらも寂しさを誘うのです。
厳しい寒さで鍛えられた秘めたる勇気と陰鬱、とでも言うか。。
引用https://www.pexels.com/photo/landscape-mountains-nature-lake-2855/
この組曲の中でも特に、「朝」と「ソルヴェイグの歌」がいかにも北欧の作曲家らしいのです。
寒々しくて物悲しい陰鬱や憂鬱が、全面に押し出されていて大変秀逸です。
ため息が出るほど美しく暗いのです(笑)。いや、真剣にそうなんです。
冗談抜きで、ものすごく繊細で美しいのですよ。
「北欧独特な音の響きと流れ」そのものを堪能して下さいね^^
では北欧を代表する3曲目
ニールセン作曲/フルート協奏曲
演奏時間12分程度。
「北欧の有名な作曲家は誰?」と聞かれたら、クラシックマニアを自称する人ならば「シベリウス」「グリーグ」の二人はすぐに出てくるでしょう。
しかし、北欧と問われて「ニールセン」と即座に答えられるクラシックファンはごく一部だと思われます。
ニールセンの曲を聴き込んでいるならば、相当なクラシック通ですよ^^
彼はシベリウスと同じ年に生まれた、祖国デンマークのみならず北欧を代表する大作曲家です。
引用http://www.arukikata.co.jp/webmag/scandinavia/sp2012/den01.html
ところが、日本では知名度がいまひとつ上がらないし、いまだに演奏会でもあまり取り上げられません。
交響曲第4番と5番は有名だし、クラリネットやヴァイオリン協奏曲も大変に美しい名曲ですよ^^
さてこのフルート協奏曲、北欧特有のどんよりと暗い音楽ではなくて、フルートの軽快なリズムと現代音楽風なニュアンスも随所に見え隠れして、おもしろい曲です。
そして何よりも、ソリストのエマニュエル・パユがめちゃくちゃ上手い!
何と言っても彼は、世界の名手の一人と断言できる天才フルート奏者ですからね。
さあ!あなたもニールセンの名曲をレパートリーに入れましたよ!
既にそれだけで、相当なクラシックファンの仲間入りを果たしています。